共通項は都市経営vol.2~島根県海士町・生き残りを懸けた戦略~

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木下斉さんイベント参加レポートに続き、今春行った島根県海士町の視察旅行についてレポートします。

実は、海士町を訪れた日は視察受入日程に該当しない日だったのですが、ダメもとで連絡してみると快く視察を受け入れてくださり、大変あたたかく感じました。

島根県海士町は、本土からフェリーで約3時間の沖合にある人口約2,400人のまちです。

隣近所の顔がわかる小さなまちでなぜ大きな改革が起こったのか。

根底にあったのは大きな危機感でした。

昭和25年頃は約7,000人いた人口がどんどん減少し高校卒業後はほとんどが島外へ流出、当時のシミュレーションでは、平成20年度には財政再建団体へ転落が予想されていました。

そこで腹を決め立候補した前町長が、改革を実行。

すると、町長はじめ自治体幹部の本気度が住民に伝わり、それまでは行政主導であった住民との関係性が住民と共に取り組む連携体制に変わったそうです。

 

島前高校魅力化プロジェクトに代表される「ひとづくり」にスポットが当たりやすい海士町ですが、実は、時系列的には「ひとづくり」よりも先に「しごとづくり」と「まちづくり」を行っています。

まず「しごとづくり」として、島まるごとブランド化し地域内経済循環の向上に取り組みました。

島のサザエや岩ガキといった地域資源を活用し、特産品の開発を行いました。

開発の中心となったのは、商品開発研修生、つまり、“よそ者”です。

この“よそ者”の視点と発想で、それまで価値のあることすら気づかなかったものに商品価値があることが証明されました。

また「しごとづくり」とほぼ同時期に、それを担うための「まちづくり」を行いました。

海士町改革の推進力となったIターン者定住対策として空き家等の住宅を緊急整備し、転入奨励金等の支援策を実施。

「稼ぐ」産業振興策で雇用を創出しただけでなく、その受け皿としての環境整備を徹底した結果、海士町のUIターン者は一気に増加。

島で起業したい、活躍したいという志の高い若者たちが集まる仕組みを創ったことで、人口減少に歯止めがかかっただけでなく活力人口が増えました。

長くなったので、「ひとづくり」についてはvol.3に続きます。

■海士町のまちづくりに関する概要資料

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